東洋大(1部6位)が駒大(2部1位)に先勝し、1部残留に王手をかけた。 東洋大が心理戦を制した。大方の先発予想は日本ハムドラフト1位の細野晴希投手(4年=東亜学園)もベンチから外し、駒大ベンチを揺さぶった。井上大監督(50)は「『相手は、細野じゃないの?』となるはず。心理戦で先手を取りたかった」と明かした。

指揮官の期待に先発の岩崎峻典投手(3年=履正社)が応えた。初回からストライク先行で力のある直球にカットボールなど変化球で緩急を使い低めに制球し、8回まで無安打投球。9回には「ノーヒットノーランを意識してしまって」と先頭の右前打から3四球で降板も、8回2/3を投げ1安打無失点と好投。駒大を圧倒した。「今日は投げていて楽しかったです」と笑顔を見せた。

先発を告げられたのはリーグ戦終了直後。「戦略的なこと。誰にも言わないように」という井上監督との約束を守り、家族にも教えたのは直前の9日。黙々と調整し、この日に備えた。

2連勝すれば1部残留が決まる今日12日の2回戦へ、井上監督は細野の先発を予告。岩崎は「(今日の好投で細野に)プレッシャーを与えられたと思う。僕は細野さんに負けてる気持ちはないので」とライバル心むき出し。「来年はチームを引っ張っていきたい」。次期エースが、力強くチームを引っ張る。