50歳超えても輝いちゃるけえ! ヤクルトからドラフト3位指名を受けた明大・石原勇輝投手(22)が27日、都内で入団交渉を行い、契約金5500万円、年俸900万円で仮契約を交わした。背番号は「35」に決まった。

チームの「便利屋」として息長く腕を振る決意だ。広島・呉出身で、広陵から進学した明大では、東京6大学リーグ通算28試合に登板。4年時には11試合中5試合で先発マウンドに上がった。プロでも任された役割を全うする覚悟で「任された場所を全力でやりきろうと思ってます」と意気込んだ。50歳まで現役を続けた元中日の山本昌が目標で「野球は大好きなので、50歳超えても現役を続けていきたい」と球界のレジェンドを追い抜くつもりだ。

起用法同様、新人王などのタイトルにもこだわりはない。とにかくチームの勝利が最優先とした上で「狙って取りたいとかではなくて、その結果が出てくれば自ずと取れると思う。本当にチームの勝利に貢献できる投手になりたい」と覚悟を示した。高卒で入団した同学年の奥川、長岡らはすでに1軍で活躍。共闘を誓い「肩を並べるような選手になりたい」と語った。

記念撮影では、色紙の中央に自らのサインを書き、その隣に「ありがとう」と添えた。広陵時代の恩師である中井哲之監督(61)からの教えで「指摘を受けても、(相手は)自分を思って指摘してくれているので、“すみません”ではなく“ありがとうございます”という気持ちを持ちなさいという教えが響いた」と大切にしているという。母校は今夏甲子園に出場した際にも、部員らが背中に「ありがとう」とプリントされたTシャツを着ていた。広島野村やDeNA佐野ら多くのプロ野球選手を輩出する広陵に代々受け継がれる言葉。これまでと変わらず「“ありがとう”という気持ちで投げたい」と話した。

プロ入り前の宿題がある。大学時代、グラブのウェブ(網)部分には、自らの名前にある「輝」と大きく刻印していた。だがプロ入りに際して「縦3・5センチ、横3・5センチ以内、ウェブにはマーク類の刻印ができない」という用具規則に違反していることが判明。それでも「それ以外で何か入れようと思ってるので、楽しみにしててください」とうなずいた。輝く準備を整えて、マウンドで末永く“声燕”を浴びる。(金額は推定)【黒須亮】

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