プロ野球の榊原定征コミッショナーは4日、「ハラスメント根絶」と題した談話を発表した。複数の後輩選手へのパワーハラスメントが認定され、楽天を自由契約となった安楽智大投手(27)の事案を受けてのもの。同投手の行為を「プロ野球選手である前に社会人としても許される行為ではありません」と厳しく指摘した。

さらに「ハラスメントは個人の人格や尊厳を傷つけるばかりか、選手やコーチそしてプロ野球に携わるすべての関係者に悪影響を及ぼす問題です。それを見過ごすことは許されません」として、この日の実行委員会で12球団に対し「ハラスメント防止の徹底によるコンプライアンスの順守」を指示した。具体的には、各球団に相談・通報窓口を複数設置。来年の春季キャンプ期間中に全選手を対象としたハラスメント防止講習会を実施する。

相談窓口は、第三者によるものや日本野球機構(NPB)に置くことも検討。NPBの井原敦事務局長は「どういう窓口にすれば選手が話しやすいか、よく考える」と強調した。日本プロ野球選手会とも連携していく。講習会はNPBで準備する。

今回の事案は一球団にとどまらないという問題意識がある。榊原コミッショナーは「選手、スタッフ、球団職員らが互いに尊重し合う健全な環境づくりに取り組み、ファンの皆さまのご支援に応えられる野球界になるよう、NPB、12球団で一層の努力をしてまいります」と決意表明した。【古川真弥】

◆理事会・実行委員会その他の決定事項 (1)来年の理事長は、セは中日、パはロッテ(2)来年のNPBアワーズは11月26日に開催。