サトテル・サンタ降臨! 阪神佐藤輝明内野手(24)が、小児がんの子どもたちをサポートする認定NPO法人「ゴールドリボン・ネットワーク」に寄付金を贈呈した。6日、同法人が発表した。金額は非公表で23年シーズンの本塁打数「24」にちなんだ金額となった。クリスマスも迫る師走に、がんと闘う子どもたちへビッグなプレゼント。来季は目標に掲げる本塁打王のタイトルを獲得し、さらなる支援につなげる。
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佐藤輝が、がんと闘う子どもたちのために立ち上がった。「ゴールドリボン・ネットワーク」への寄付金は、小児がんの子どもたちへのサポートに役立てられる。同法人は「小児がんと闘っている子どもたちや、治療後のさまざまな課題と向き合っている子どもたちにとって、ヒーローのような佐藤選手が応援してくださっていることは、大きな勇気と力になります」と感謝。佐藤輝はタテジマ姿で感謝状を受け取り、写真に納まった。クリスマスを前に、“輝サンタ”として贈り物を届けていた。
同法人によると、小児がんは子どもの病死原因の第1位が続いている。希少ながんでありながら、種類が多く症例が少ないために、情報収集が困難で支援も不足しているという。今回の支援で「日本国内では認知度が課題である小児がんについて、多くの方々に知っていただく機会となりました」と説明。佐藤輝の行動は、闘病する子どもたちや、その家族に勇気を与えたことだろう。
過去には兵庫・仁川学院の4学年後輩で急性骨髄性白血病を患っていた槙原葵人(あおと)さんを、ドラフト指名された直後の20年11月に自宅で見舞ったことがある。21年2月のキャンプで本塁打を放ったバットも届けている。佐藤家では2人の弟がいる優しい長男。子どもも好きだという和製大砲は、虎の先輩たちに続いてグラウンド外の慈善活動にも力を入れる。
今回は金額非公表で、23年シーズンの本塁打数「24」にちなんだ額となった。来季「狙いたい」と見据えているのは本塁打王のタイトル。岡田監督からも「(本塁打王)取れるんやったらとったらええけどな。自分の特長を生かしたな」と期待されている。球団では86年のバース以来、37年間も遠ざかるホームランキングを手にすれば、さらなる援助にもつながる。
支援は来季以降も継続する予定で、タイトルを目指す理由も新たに生まれた。宣言通りにアーチ量産となれば、球団史上初のリーグ連覇も見えてくる。佐藤輝のバットには夢と希望が詰まっている。【中野椋】
▽阪神の慈善活動アラカルト
◆桧山進次郎 震災遺児らが生活する「あしなが育英会神戸レインボーハウス」を毎オフ慰問、寄付金や野球用具を持参した。
◆藤川球児 故郷・高知の元高校球児が骨髄移植を必要とする状況を知り、ドナー登録を呼びかけるなど支援に乗り出した。また不登校の子供たちを甲子園に招待。
阪神ナインの慈善活動
◆赤星憲広 自身の1盗塁につき車椅子1台を、全国の病院や施設にサイン入りで寄付してきた。オフには甲子園で贈呈式。
◆鳥谷敬 フィリピンなど、アジアの恵まれない子どもたちのための活動を行う「一般社団法人 レッドバード」に参加。使われなくなった靴を集めて現地に贈る活動を展開した。
◆岩田稔 自らI型糖尿病と闘っており「糖尿病研究基金」に1勝につき10万円を寄付。病院に子どもたちを訪ねて勇気づけたり、家族へ向けた講演活動も。
◆能見篤史 14年から、1勝につき10万円を投じて慈善活動。18年には100勝達成を記念し、約100万円で兵庫県内の幼稚園など62施設に各3セットのスポーツ玩具を贈った。
◆西勇輝 オリックス時代の11年から毎年、日本赤十字社や日本財団子どもサポートプロジェクトへの寄付を行う。
◆岩貞祐太 熊本地震の「復興支援」と「子どもたちへの野球振興」を目的に、17年から毎年、義援金や野球道具を同県で活動する少年野球チーム、少年野球を運営する団体へ寄贈。
◆原口文仁 18年末に患った大腸がんから復帰したことを機に、小児がん医療ケア施設への訪問などの社会貢献活動を続けている。
◆近本光司 入団2年目の20年から、甲子園球場の左翼外野の年間予約席を購入し、故郷の兵庫・淡路市在住者を年間240人招待する「近本シート」の実施。淡路島や自主トレ先の沖永良部島の子どもたちを対象にした野球教室・スポーツ教室を定期的に開催。