侍ジャパンの監督として3月のWBCを制した栗山英樹氏(62)が9日、“感謝の1票”を投じた。

野球殿堂博物館(東京ドーム21ゲート右)でこの日始まった「野球報道写真展2023」のオープニング見学会に来場。東京写真記者協会加盟各社のカメラマンが撮影した23年シーズンの野球界のハイライト66点を見て回った。

うち15点がWBCのもの。米国を破り優勝が決まった瞬間にできた大谷、ダルビッシュ、佐々木朗ら歓喜の輪を捉えた1枚には「いいですね。思い出すなあ」としみじみ。準決勝メキシコ戦で起死回生の同点3ランを放った吉田の打撃を捉えた1枚には「もう1回打てといっても、難しいだろうなあ」。同戦で逆転サヨナラ打を放ち、佐々木にスポーツドリンクを頭からかけられる村上の1枚には「めちゃめちゃ、いい表情してるよね。ムネ、うれしそう。朗希もホッとしてますね」。シャンパンファイトの1枚には「きんきんに冷えてて、めちゃくちゃ寒かった。『帰っていい?』て言った」と笑わせた。

「その瞬間にしか表現できないもの。動画だと逆に分かりにくくて、その瞬間の本当の表情を捉えている。動きを捉えてもらえるから伝わるものというのが、すごくあると思うんです」と激闘の日々を思い出しつつ、写真の力を感じていた。

66枚の中から、来場者はベストの1枚を選び投票できる。栗山氏も投票した。「めちゃめちゃ悩みました」と言って投じたのは、大会中に右手の小指を骨折したにもかかわらず出場を続けた源田の1枚だった。患部にテーピングを施し、ボールを投げているシーンだ。

「やっぱり源ちゃんがあんだけ痛みの中で、あんだけプレーしたというのは、他の選手にも、日本のためにみんなで勝つんだという。チームがひとつになるには、源ちゃんの魂はひとつ大きな意味を持ったので。源ちゃんには2カ月、3カ月、開幕が遅れて本当に迷惑をかけたけど、ものすごく野球界に大きな意味があったというふうに信じている。ひたすら、そこに関しては感謝してます。源ちゃんありがとう」

写真展は24年2月12日まで。