阪神ドラフト4位の百崎蒼生内野手(18=東海大熊本星翔)が10日、故郷熊本を背負う覚悟を示した。

前日9日。入寮に合わせて購入した新しいテレビを見ていると、歌手・八代亜紀さんの訃報に触れた。世代が違うため曲になじみはなかったが、同じ熊本出身と知った。地元を離れてまだ4日の18歳は「熊本の方だとテレビでも流れてきた。自分も熊本出身なので、熊本のみなさんに元気を与えられるようにやっていきたいと思っています」と真剣な表情で語った。

八代さんは出身の八代(やつしろ)市を芸名としたように地元愛が強いことで知られる。故郷を思う歌も多く、郷愁を誘う歌声で感動を与えた。熊本をはじめ被災各地の慰問も行い、人々に寄り添った。

阪神には同県出身者が岩貞、大竹、島田と計4人も在籍。百崎が最年少になるが、ドラフト後に岩貞から「一緒に頑張ろう」と声をかけられている。活躍こそが熊本への恩返しになる。

この日は新人合同自主トレ2日目。視察した和田2軍監督は「(3位山田と)2人は楽しみ。動きもいいし、キャッチボール、ペッパーなんかも『ほ~ん』って(感心した)印象。非常に楽しみにしている」と、高校生らしい生き生きとした動きに目を細めた。

百崎は「今日は少し疲れました。昨日のメニューがきつかったので。体力をこれからしっかり作っていければいいかなと」と笑顔で話した。ひのき舞台を目指して、焦らず力を蓄える。【柏原誠】