東京6大学野球リーグの明大は11日、府中市内のグラウンドで新入生の練習を公開した。昨夏の甲子園に出場した広陵(広島)の俊足巧打のリードオフマン田上夏衣(かい)外野手と、横浜の強打者・萩宗久内野手が打撃練習に参加。田上は「木のバットに慣れるか不安がありましたが、少しずつマシンにも慣れてきました」、萩は「高校でも木のバットで練習をしてきたので、変化は気になりません」と、そろって快音を響かせた。

田上は尊敬する先輩の背中を追う。今年、ドラフト上位候補として注目の宗山塁内野手(3年=広陵)は、高校の先輩。「偉大な先輩。憧れでもあり、目指すべきところだと思っています」と、入学前から一緒にプレーできる日を心待ちにした。1月30日に入寮して以来、自ら宗山に声をかけ、2回、練習をともにした。「野球に真剣に向き合い、努力家だと聞いていてそのとおりの先輩。盗めるところは盗んでいきたい」と目を輝かせた。

萩は、同級生で西武ドラフト3位の杉山遙希投手の存在が支えになっている。「高卒でプロに入ることができなかった自分にとって、杉山は一歩先を行く存在。ポジションは違うが、杉山の活躍を、ひとつの道しるべとして頑張りたい」と話した。

2人には、大学で絶対に負けられない相手がいる。それは慶大に進学した昨夏の慶応Vメンバーだ。田上は昨夏の甲子園3回戦で対戦。延長10回3-6、自身も6打数無安打と悔しい敗戦だった。「ふがいない結果で負けた。このメンバー(甲子園Vメンバー)には絶対に負けない。そこを目標にしてきました」。萩は、夏の神奈川県大会決勝で慶応に5-6で敗れ、甲子園出場を逃した。「次は絶対に負けない。結果で返したい、と強く思っています」。田上と萩。高校時代の悔しさを糧に、さらなる成長を誓った。