日本ハムの新助っ人、フランミル・レイエス外野手(28=ロイヤルズ)が18日、来日1号となる“謝罪弾”を放った。楽天との練習試合(金武)の1回2死一塁で、相手先発のドラフト1位左腕の古謝から右翼芝生席へ先制2ランを運んだ。メジャー通算108本塁打のパワーと技術でプロの洗礼を浴びせたルーキーに「申し訳ない」と語った心優しき新大砲。シーズンへ向けた期待度も日に日に増してきた。

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レイエスに悪気はなかった。1回2死一塁。カウント3-1からの5球目、外角のボールをジャストミートした。左翼から右翼へ吹いていた強風にも乗った打球は、右翼芝生席で弾んだ。「風に、とても助けられた」と笑ったが、打った相手はルーキー左腕の古謝。対戦した印象を問われて真摯(しんし)に答えた。

レイエス 今まで対戦した左投手の中でも、とても力強い投球をする。直球も力強かったし、変化球も良かった。初対面で、こういう結果になってしまったことは申し訳ないけど、彼はいい投手になると思うよ。

紅白戦から数えて実戦4試合、10打席目での来日1号に喜びながらも、対戦相手への敬意があふれて、まさかの謝罪、そしてエール。こんな人柄だから、早くもチームに溶け込んで自分の良さも発揮できている。

だから、とっておきの本塁打パフォーマンスも自然と解禁できた。二塁ベースを回った直後、三塁側の日本ハムベンチが見えると本能のままに右手で何かを担ぎながら走っていた。

レイエス インディアンス(現ガーディアンズ)に入った時に、チームメートがヒットを打つ度にベンチに向かって銃を向けたようなパフォーマンスをしていたんだけど、僕にはそれが小さすぎる、と。だから、バズーカで対抗しようと思った。本塁打を打ったら二塁を回る時に(バズーカを抱えて撃つ)パフォーマンスを当時からしている。

“バズーカ・パフォーマンス”でチームは大盛り上がり。「僕のアイデンティティーなので」と日本ハムでも継続していく予定だ。

メジャー時代に引っ張りの打球傾向から極端な守備シフトを敷かれたことで、広角打法への意識が芽生えて打撃技術を磨いてきた。その勤勉さは日本に来ても変わらない。「毎日、新しいことを学んでいる。いつか相手のリポートで『こいつには気をつけろ』『どこでも飛ばすから気をつけろ』と書かれるような選手になりたい」。謙虚で明るく真面目で豪快な新大砲の評価は確実に高まっている。【木下大輔】

▽日本ハム新庄監督(来日1号のレイエスに)「選球眼もいいし、ちょっと怖いくらい良くて2打席で代えたもん。(打席での)雰囲気がいい。ベンチでも声を出してリーダーっぽい存在。彼、選手の名前を何十人も覚えていて、すごい。しっかり勉強もしているし、シーズンに入ってどうなるか楽しみ。ファンのみなさん、レイエスのニックネームは「モーレ」ですよ。(「モーレ」は映画「ファンタスティック・フォー」に登場する岩のよう体の怪力キャラ「ザ・シング」のスペイン語名「ラ・モーレ」から)」

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