北海道は寒いけどぽっかぽか-。オリックスからFAで加入した日本ハム山崎福也投手(31)が2日、イースタン・リーグ春季教育リーグのオイシックス戦に登板し、3回無安打無失点4奪三振と、好調をアピールした。

先発指名されている4月2日の本拠開幕楽天戦と同じ、エスコンフィールドのマウンドで移籍後初登板。3ボールで起こる恒例の“励まし拍手”を初体験するなど、北のわが家で快投するイメージを、ふくらませた。

   ◇   ◇   ◇

大事な「4・2」に向け、山崎はまず雰囲気を味わうところからスタートした。昨季オリックス時代に3度経験したマウンドも、何かが違った。2回2死1塁、フルカウントになると、スタンドから拍手が起こった。「3ボールのときの拍手。あれは味わったことなかった。優しいなという感じ。いざやってもらったら、やっぱりいいなという感じがしました。落ち着きました」。日本ハムファン特有で、味方投手に送る“励まし拍手”を背に、最後は141キロストレートで、力強く三振に切って取った。

新たな本拠地のムードに加え、まだ確認できていなかったチェック事項も1つ、クリアした。2回に味方の失策で走者を背負ったが、1球けん制をはさみ、クイックモーションもテスト。実戦初登板の2月24日DeNA戦は2回完全投球だったため「ランナー出しての投球がなかったので、ありがたかった。(走者が)一塁にいるときの体の使い方は、またちょっと違う。確認できました」と手応えを口にした。

前回登板は、本拠開幕でコンビを組む伏見が受けたが、この日はルーキーの進藤勇也捕手(21=上武大)が女房役。オリックス時代からコンビを組む先輩と比べると、互いの情報量が少ない。今後を見据え、あえて自分“らしさ”をさらす手法を選んだ。時にはサインに首を振り40球。「投げたい球がたくさんあったので。今後、多分組んでいくこともあると思うので、あえて首を振っちゃったんですけど。でもどっしりしていてルーキーっぽくない」。予定の3回を投げ終わると、しっかりグータッチし、感謝した。

試合後は、失策で走者を出してしまった新人の遊撃浜田が「土下座するような勢いで来ましたね」と苦笑い。さわやかに「全然大丈夫だよ」と返した心優しい美白左腕。温かい北海道のファンに支えられながら、本拠初戦白星の準備を、進めていく。【永野高輔】