島田一中・島田二中が、劇的なサヨナラ勝ちで初優勝を飾った。大会5連覇を狙う東海大静岡翔洋中を、延長8回タイブレークの末、3-2で撃破。8回裏1死満塁から、8番川人匠真内野手(2年)が決勝適時打を放ち、接戦に終止符を打った。これにより県初制覇の合同チームは、第41回全日本少年軟式野球(全軟)県大会(来月27日開幕)の出場権を獲得した。

   ◇   ◇   ◇

劇的な幕切れだった。7回を終えて2-2のまま延長に突入。8回から無死一、二塁で始まるタイブレークで、まずは島田一中・島田二中が、相手の攻撃を無得点に抑えるとその裏、1死満塁のチャンスで打席には川人が入った。「自分が決めるつもりでした」。フルカウントからの7球目を迷わず強振。たたきつけられた打球が右前に転がると、ベンチ前には歓喜の輪が広がった。「うれしい。練習通りのバッティングができた」と胸を張った。

このサヨナラ劇を演出したのが左右の両エースだ。先発の1年生左腕・牧野優月が、強力打線相手に7回1死まで5安打2失点。「変化球の制球がよく、自信を持って投げ込めた」と笑顔。同点とされた7回1死二塁のピンチの場面に、2番手で登板した主将の木下優星(2年)が、気迫のピッチングで続く2人を打ち取ると8回表も無失点に抑え、チームを勝利に導いた。この日2本の二塁打も記録した木下は「うれしさよりも、ホッとした気持ちの方が強い」と合同チーム主将の責任感を口にした。

中村信太郎監督(30)は試合後に開口一番「よく頑張ったの一言に尽きる」。部員不足による合同チームが結成され3度目出場で県制覇。普段は別々に練習を行う選手は週3日、保護者の協力を得て有志でナイター練習も実施。選手、指導者、保護者の三位一体で2校の力を結集させてきた。

チームは23日開幕の全国大会(第15回全日本少年春季軟式野球)に出場。木下主将は「期待に応えられるように次の大会も頑張りたい」と意欲を示した。【山口昌久】