阪神森下翔太外野手(23)が“進化発揮”の右腕打ちだ。敵地ソフトバンク戦に「3番右翼」で出場。4回に先発東浜から中前打を放ち、今春オープン戦の対右投手打率を3割4分3厘に上げた。昨季レギュラーシーズンの対右腕は同2割5分だっただけに、1割近くもアップ。オープン戦は8試合連続安打と好調もキープしている。29日の開幕巨人戦(東京ドーム)も戸郷撃ちの期待が高まる。

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森下の快音が止まらない。4回2死で迎えた第2打席。東浜の4球目、内角低めの直球をコンパクトに振り抜き、中前打を決めた。「(相手の)フォームがちょっと独特で、1打席目は球種も見たことなかったので難しかったですけど、うまく2打席目からは対応できました」とにっこり。第1打席の見逃し三振をしっかり修正するクレバーな対応を見せた。オープン戦自体も8試合連続安打と絶好調。「ボールがしっかり見えて、いい形で打てているので、変えずにいきたい」。勢いそのまま、シーズンインを見据える。

2年目の進化も証明している。この日の東浜撃ちでオープン戦の対右投手の打率は、3割4分3厘にアップ。昨季レギュラーシーズンの対右腕の同2割5分から1割近くも上げている。前日19日にはソフトバンクのルーキー右腕、沢柳から3ランを放つなど、課題克服が際立つ。「(左右)両方打てないとあれなので、しっかり両方打てるようにしたい」と手応え十分だ。

新相棒探しにも余念がない。今オフは腕力だけに頼らない新フォームを模索し、安打量産タイプのピート・ローズ型バットも導入。だが打球が上がらず、2月のキャンプ終盤には昨季モデルに戻し、さらに複数タイプのバットを発注した。現在は3種類のバットを持ち込み、さらにその時々の感覚によって、グリップにテープを巻いて太さを微妙に変えている。「シーズンは試合によっても変えたいと思っています。何を意図して変えるとかじゃなく、自分の感覚でやっています」。シーズン中に新たなバットを作ることも視野に入れるこだわりよう。どのバットを手にするかはインスピレーション次第。どこまでも感性を重視する。

29日の開幕巨人戦の相手先発は戸郷が予告されている。昨季の対戦は1本塁打を含む11打数3安打、打率2割7分3厘、4打点と相性は悪くない。本塁打は8月25日の東京ドームで148キロを左翼席上段まで飛ばす会心のV弾だった。苦手としていた右投手克服で、ますます戸郷撃ちの期待が高まる。同じ敵地で、勝利を呼ぶアーチを再現できれば最高だ。【村松万里子】

 

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