4年ぶりのV奪還へ、準備は整った。ソフトバンクは広島との最終戦(マツダスタジアム)に敗れたが、オープン戦を10勝5敗2分けで中日と並び勝率1位フィニッシュ。小久保裕紀監督(52)は29日オリックス戦(京セラドーム大阪)を想定したオーダーを組み、手応えを隠さなかった。若手からベテランまで総力を結集し、逆襲のシーズンに挑む。

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小久保監督の言葉は自信に満ちていた。「開幕に向けて『このメンバーで戦おう』という形は見つかったということですね」。敵地広島戦で完封負けを喫しながらも中日と並んで勝率1位フィニッシュ。悪天候による故障が最大の懸念点だったが、無事に就任1年目のオープン戦を終えて充実した表情だった。

1番周東、2番今宮、3番柳田、4番山川、5番近藤…。この日も相手にとっては気の抜けない豪華な名前が連なった。29日、オリックスとの開幕戦に向けての想定オーダーかを問われ「そうですね。最初はある程度(スタメンは)固定でスタートしようと思います」と明言。9番打者に牧原大を起用する意図は「(7番の)ウォーカーの後に(捕手の甲斐)拓也なのか、海野なのか、牧原大なのかみたいなところなんですけど、9番→1番→2番のつながりを考えた時には、そっち(9番牧原大)のほうが面白いかなと思って」と説明した。

さらに指揮官が評価するのはベンチスタート組の存在だ。19日に育成から支配下登録された川村、緒方、仲田の3人も開幕1軍入り。常々「後から行くメンバーとして十分、戦力として考えています」と話してきたが、川村がタッチアップを狙う走者を本塁で刺す好返球を見せた。「あの犠牲フライをしっかり阻止して。川瀬も三森も、後から行くメンバーはこういう天候の中でも集中力切らさずにヒット。らしさを出したというのはよかったんじゃないですか」とうなずいた。

開幕まで1週間を切った。ソフトバンクにとっては、20年以来4年ぶりのリーグ優勝、日本一奪還をかけたペナントレースが始まる。まずは前哨戦として、主力を休ませながらもオープン戦で首位。新生小久保ホークスの反撃態勢が整った。【只松憲】

 

--ブルペンデーでドラフト2位の岩井が先発

小久保監督 (2番手の)沢柳はよかったけどね。岩井はちょっと1イニング4本ヒットを集められていたので。コントロールが甘くなってシュート回転しているボールが真ん中入った。でも沢柳はよかったですよ。

--オープン戦が終了。今年は打ち勝っていく

小久保監督 全然。野球はピッチャーです。ええピッチャーはそんな点は取れないです。ピッチャーがしっかり5回、6回を抑えて(守護神の)オスナにしっかりつなぐ。それしかないです。

--課題だった先発は8人で回す

小久保監督 それは大きいです。ただ、1年を通して最初の6人で回ることは絶対にない。開幕から外れたメンバーにしても当然、モチベーションを落とすことなく。必ず出番はくる。しっかりフォローしながらやっていきたい。