阪神が痛い逆転負けで開幕から2カード連続の負け越しを喫した。岡田彰布監督(66)にとっては第1次政権、オリックス時代も含む指揮10年目で初の屈辱。

開幕から5番の佐藤輝明内野手(25)を6番に下げるなど試合前から動き、4回には執念のリクエストを2度成功。だが、勝利には結びつかなかった。並んでいた巨人が勝利したため、再び単独最下位となった。

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流れをつかめそうでつかめない。追加点が入りそうで、入らない。開幕から続く、上がりきらないチーム状況。試合を終えた岡田監督は「ちょっと想定外やな。ちょっとやな。おーん」と率直な心情を吐露した。

京セラドーム大阪にため息が充満した。1点を追う8回2死一、二塁。糸原の一、二塁間への痛烈な打球は、DeNA牧のダイビングキャッチに止められた。「なんか、ファインプレーにあうなあ。チャンスでなあ。まあ、しゃあないけど。それは」。苦しい現状を象徴するようなシーンだった。

試合前から動いていた。佐藤輝を今季初めて6番に下げ、成長株の前川を昨年6月13日オリックス戦(甲子園)以来となる5番に起用。「今やったら前川の方が調子いいからなあ、おーん」。狙いははまり、4回1死、前川の二塁打から3連打で先制劇をつくった。

4回の攻撃では、2度のリクエストに成功。1死一、三塁から、梅野が先制の中前適時打を放つと、一塁走者の佐藤輝が三塁へ。当初はアウト判定もセーフにくつがえった。さらに1死一、三塁で木浪の一ゴロの間に、三塁走者の佐藤輝が本塁へ。またもアウトからセーフに変わり、大きな2点目が入っていた。執念のリクエスト連発で虎党は大盛り上がり。しかし、あともう1歩届かなかった。

「チャンスばっかり作って、どっかで1本出ればなあ。ヒットの数からいってな、もうちょっとヒットが出んと、タイムリーが出ないということやな」。勝ちきるあと1本が出ない状況に、百戦錬磨の虎の将も、もどかしい。

打率1割4分3厘と苦しむ佐藤輝について問われると「そら、どん底やろ、そらお前、佐藤だけやないけど」と吐露した。開幕から2カード連続の負け越しは、監督としてはオリックス時代、第1次政権も含めて自身初。「想定外」が続くも、先を見据える指揮官は冷静だ。「別にまだ2カードやから。まだ当たってない3球団あるから。そこまでやな。ちょっと分からん部分が多いし。今年の戦い方というかな」。球団初のセ・リーグ連覇を目指すシーズンで、今は辛抱の時期かもしれない。【磯綾乃】

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