日本ハムが劇的なサヨナラ勝ちで今季初の連勝を飾った。延長12回1死満塁、4番マルティネスが中犠飛を放ち、4時間22分の長い試合にけりをつけた。新庄体制初の貯金2。6日西武戦に勝ち3連勝なら、ソフトバンクの結果次第で、19年6月14日以来、1758日ぶりの単独首位に立つ。

粘ってつかんだ1勝だ。ヒーローのマルティネスは「1人1人が仕事を果たして粘り抜いてつくった状況。絶対この任務を自分の手で終わらせると思いました」。前の打席まで26打数1安打と苦しんでいた4番の一打に、新庄監督は「グワチョ(マルティネス)は満塁に強いですから。すごい仕事ですよ。ヒット3本より価値がある」とたたえた。

全員でつないだ。2点ビハインドの7回無死満塁、奈良間の中犠飛で1点返すと1死一、二塁から代打郡司が右前打。右翼の若林がファンブルする間に、二塁走者田宮も生還した。指揮官は「不思議ではない。キャンプ中からこういう形から追いついていくっていうところはできていると思った」。12回は代打石井が中前打で出塁後、今季初スタメンの加藤豪がこの日4本目の安打でつなぎ、決勝の生還は代走五十幡と、総力戦で勝利をむしり取った。

選手会長の松本剛は、昨季までとの違いを口にする。「守っていても攻撃していても雰囲気がある。先に点を取られても、去年だったら、だらだら追加点取られて、やっと1点返せてってレベル。それが(今季は)何かいいものがある」。新庄監督が地道に植え付けてきた種が、開花目前にまで迫っている。【永野高輔】

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