阪神佐藤輝明内野手(25)のリーグ最多、3度目の勝利打点は幻に終わった。

初回に2番中野と4番大山の2四球でつくった2死一、二塁の好機。「チャンスをつくってくれて回ってきた打席だったので、ランナーをかえしたかった」。中日先発のメヒアの5球目。140キロ外角高めのチェンジアップを振り抜き、右中間フェンスを直撃する先制の2点タイムリー二塁打を放った。

阪神が初回に得点するのは2日DeNA戦(京セラドーム大阪)以来10試合ぶり。5番が連敗ストップへの道筋をつくった。「先制になったので、それはよかったです」。4回にも1死からメヒアの150キロ内角の直球を右前に運び、9日ヤクルト戦以来、今季2度目のマルチ安打。今季初めて打率を2割台に乗せた。

ヒーローはいただきだ。チームがそのまま勝利すれば、今季3度目の勝利打点となるはずだった。試合前の時点でV打点2個は中日細川、中田、巨人岡本和、阪神森下と並んでリーグトップタイ。晴れて単独トップに立つはずだったが、6回に0封を続けてきた大竹が突然乱れ、2番手岡留も抑え切れずに大量4失点で逆転を許してしまった。

それでも背番号8の復調はチームの好材料であることは間違いない。2打席連続安打で状態は上向きか問われると、「そうですね」と即答。前日も第1打席で右越え二塁打を放った。虎の主軸が今日こそ連敗脱出を導く。【村松万里子】