筒香嘉智外野手(32=ジャイアンツFA)が、古巣のDeNA入団に合意したことが15日、分かった。近日中にも正式発表される。

19年オフにポスティングシステムを利用してレイズに移籍。21年シーズン途中からドジャース、パイレーツなどメジャー、マイナー、独立リーグを含む7球団を渡り歩いた。今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加したが、3月21日に退団。DeNAファンの温かい歓迎を受けながら、慣れ親しんだ横浜の地で、新たな挑戦をスタートさせる。

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横浜の空は青く澄み渡っていた。試合がない横浜スタジアムのグッズショップにはDeNAファンの姿があった。10年来のファンという30代男性は、筒香の米挑戦後も結果をニュースで逐一チェック。かつての背番号25のユニホームと筒香タオルを手に「今回の決断はいろいろ悩まれて大変な決断だったと思いますけど、帰ってきてくれてうれしい。メジャーでは思うような結果は出なかったかもしれないですけど、胸を張って帰ってきて欲しいです」と喜びをあらわにした。

自宅に筒香ユニホームを大事に保管してきた40代女性は「とてもうれしいです。だけど、打てなくなってやじられる姿は見たくない。頑張って欲しいです」と心配しながらも温かく見守っていく。

筒香の公式インスタグラムにもファンが集った。21年10月の最後の投稿に、ファンからの500件近いメッセージが寄せられ「横浜でみんな待ってるよ!」「諦めない姿に勇気をもらいました。いつか日本で、ベイスターズでプレーする姿を見るのをずっとずっと待っていました」「また応援歌を歌いたいです」などのコメントが並んだ。

ポスティングシステムで海を渡る決断をした19年から、アメリカで挑戦し続けてきた。MLBだけでなく、傘下マイナー、独立リーグも経験した。今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプにも参加したが、オープン戦5試合で8打数1安打。3月21日に退団し、日本球界に戻ると決めてからは熟考を重ねた。次のチームに選んだのは古巣DeNAのユニホームだった。

アメリカでの奮闘を見守り続けたファンが待つ横浜に、筒香が帰ってくる。

◆DeNAの新打線 筒香の復帰で強力打線に新たな軸ができる。今季開幕から「2番一塁」で出場したオースティンが、右太もも裏の肉離れで離脱した。14日に取材に応じた萩原チーム統括本部長は、筒香の守備位置について「外野、ファースト、そのあたりのどこかでと思っています」と構想を明かしていた。筒香が中軸に入れば、前後を打つ打者を含め、オプションも増加。オースティンが復帰すれば、守備位置の兼ね合い次第で超攻撃的な打線が可能になる。今季佐野、牧、宮崎のクリーンアップは開幕から14試合で0本塁打。NPB通算205本塁打の主砲の長打が、得点力アップの鍵になりそうだ。

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