球界最年長、44歳のヤクルト石川雅規投手の大記録は持ち越しとなった。勝てば23年連続勝利となり。目標とする山本昌、工藤公康、三浦大輔の最長記録に並び、入団1年目からでは史上初めてだったが、勝ち負けは付かなかった。5回76球6安打無失点。記録については「気にしていない」と話していたが、今季初登板のマウンドで試合をつくっただけに、ベンチでどこか悔しそうな表情を浮かべていた。 直球の最速は129キロ。そこに合わせる99~129キロの多種多様の変化球。代名詞のシンカー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、シュートなどをコースにちりばめた。かねて「今から150キロを出せるわけじゃない。いかに遅い球で打者を打ち取れるか。遅くても打者を惑わせれば、それは1つのアウトに変わりない」と理想を語る。言葉通りの幻惑投球も、なかなか打線の援護に恵まれなかった。

▼44歳の石川が今季初登板し、1軍に出場した実働が23年となった。実働年数は工藤(西武)ら3人の29年が最長で、23年以上は18人目。過去17人のうち15人は高校から、門田(ダイエー)と真弓(阪神)が高校から社会人経由でプロ入り。大卒で実働23年はプロ野球史上初めてになる。