“4度目の正直”だ。阪神青柳晃洋投手(30)が今季初白星を挙げた。7回2失点で勝ち負けがつかなかった前回12日に続く、2週連続での中日戦。0-0の2回1死二、三塁では7番村松を空振り三振、8番ロドリゲスを遊ゴロでピンチを脱出。粘りの投球で、味方の先制打を呼び込んだ。

「なんとかゼロで帰るというのが一番。結果として6回しか投げられなかったけど、ゼロで帰ってこられたのでよかった」

今季最多109球と球数をかけながらも丁寧に投球。6回6安打無失点の投球に岡田監督も「ストレートも走っていたし、ボールの勢いは全然大丈夫だった」と評価した。

勝ち星から3戦遠ざかった末の初白星。2回には自身のバットで右犠飛も決めた。今季初の甲子園で手にした1勝目に、ヒーローインタビューでは「やっと勝てました」と笑った。

今季は2年連続の開幕投手として先陣を切った。若い投手陣へ背中を見せる姿勢は、シーズン前から変わらない。沖縄・宜野座キャンプのブルペン観覧席に青柳が現れた回数は1度や2度ではない。練習序盤に自らの投球練習を終えた後、再び戻って後輩の投球を見つめていた。

「フォームだったり、相談された時に答えられるように。何も知らなかったら、何も答えられない。もし本当に後輩が困って聞いてきた時に何か言えるように。見ていないことはしゃべられないので」

そっと見守り、助言を求められた時のために準備を欠かさない。特に岡留や村上は自主トレから時間をともにする“愛弟子”だった。この日は岡留とのリレーを果たし「ずっと気にかけている選手なので。僕の後を投げてくれるのはすごくうれしいこと」と喜んだ。

お立ち台では「まだまだこれから勝てると思うので。しっかり勝ち試合を見てもらえるように」と宣言。開幕投手が、チームも勢いづく1勝をもたらした。【波部俊之介】

○…岡留が8回に登板し、1イニングを15球1安打2奪三振で無失点に抑えた。前回13日の中日戦では1回を投げ四死球2つと安定感に欠けていたが、きっちり修正した。また、この日の先発はオフに自主トレを共にした青柳だった。「青柳さんがしっかりゼロでつないでくれたんで、それはしっかりつなげようっていう意識で」と師匠の好投に続いた。

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