歓喜の最後には“愛の頭突き”が待っていた。

オリックス紅林弘太郎内野手(22)が、劇的なサヨナラタイムリーを放ち、今季初の3連勝&貯金2を導いた。3-3の同点の延長10回、2死二、三塁。西武本田の低めチェンジアップを引っ張り、左翼線を痛快に突破した。9回に3点差を追いつかれた悪いムードを会心の一振りで振り払った。

「野球は何があるかわからない。全員でカバーできるのが野球だと思う。今日は勝ち切れてよかった」

ヒーローは一塁を回ってヘルメットを真上に放り投げ、チームメートからはスポーツドリンクのペットボトルを背中に突っ込まれた。そのまま恐る恐る、帽子を逆向きにかぶって待ち受けていた中嶋監督のもとへ。頭を両手でガッチリとつかまれ、愛のこもった強烈なヘッドバットを食らった。「うれしかったですね」と会心の笑顔をみせた。

自身通算4度目で、11日楽天戦以来、チーム今季2度目のサヨナラ打をまたしても背番号24が決めた。昨季までのキックやヘッドロックなどに加え、前回はハイタッチとグータッチを2度スルーした指揮官は、愛弟子の殊勲打に「本当によく打ってくれた。ああいう場面で、ちょっと期待できるようにはなってきていますけど」と目を細め、頭突きに関しては「何もしてないですよ」とかわした。

丸刈り効果は抜群だ。13日の日本ハム戦で3失策を犯し、翌14日には頭を丸めて試合に臨んだ。13日の打率1割7分5厘から、現在は2割7分8厘まで上昇した。「もっとチームの勝利に貢献できるようにやっていきたい」。パ3連覇の王者が、いよいよ本領発揮だ。【古財稜明】

▽オリックス・マチャド(来日初勝利)「日本での初勝利だったのでうれしかった。(ウイニングボールは)今のところ自分でキープしておいて家族に見せたい」

▽オリックス森(7試合ぶりタイムリー)「一日一善を目指しているのでよかったです。いい軌道でスイングできてヒットになった。継続して、コツコツ頑張ることが大事だと思います」

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