東北の大学野球にも春がやってきた。東北3連盟(北東北、仙台6大学、南東北)が12日に開幕。3季連続優勝を目指す仙台大(仙台6大学)は3投手の“ノーノーリレー″で宮城教大を10-0で下し、開幕白星を挙げた。先発の今秋ドラフト候補の最速152キロ左腕、渡辺一生投手(4年=日本航空)は4回10奪三振。エースの好投が後続投手に勢いをもたらした。
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渡辺が奪三振の山を築いた。一番の武器チェンジアップに加え、昨秋から磨きをかけてきたスライダーもさえた。左手人さし指のマメがつぶれ、4回で降板したが、心配はなかった。「投手王国」の自負がある。「仙台大の投手層の厚さは全国で1番だと思っています」と胸を張った。「後ろに信頼できるピッチャーがいるので、自分は任された回を全力で投げきることができています」と5回からは1年生の田中に託した。
ドラフトイヤーを迎え、プロ入りへの闘志を静かに燃やす。だが、オープン戦では結果が出ずに苦しんだ。そこで、好調だった昨季を思い返した。「昨年はチームのためにという気持ちが結果につながっていましたが、ドラフトを意識しすぎていました」。答えが出た。最優先はチームの勝利。いま一度、初心に返った。「結果的にドラフト1位で指名されればいいなと思っているので、この『結果的に』ということを絶対に忘れずに投げたいです」と口にした。
今季から背番号「18」を背負う。「監督に許可をもらわないとつけられないくらい重い番号です」と引き締まった表情で言った。昨季は空き番。一昨季は渡辺が「師匠」と呼び、現在は三菱重工Eastでプレーする川和田がつけていた。「師匠を超えるためには同じ番号をつけなくてはいけない」と決意。リーグ戦開幕前、森本監督に「エース番号をつけさせてください」とお願いした。「責任持って投げろよ」と背中を押された。
「エースらしいピッチングで防御率0点台を目指します」と覚悟は十分だ。泣いても笑っても大学ラストイヤー。リーグ優勝の先にある「全国制覇」へ導くのは、エース渡辺一生だ。【木村有優】
○…憧れの先輩からのバトンをしっかりとつないだ。仙台大ルーキーの最速152キロ右腕、田中稜真投手(1年=旭川実)が2番手で登板し、3回4奪三振でリーグ戦デビューを飾った。渡辺からのバトンを大学日本代表候補にも選ばれた佐藤幻瑛投手(3年=柏木農)につないだ。「日本が注目するリレーの中に混ざらせてもらった」と田中。ベンチからは初登板を見守る先輩たちの励ましの声がやまなかった。「ベンチからたくさんの力をもらって、その力があっての結果です」と感謝した。
背番号は渡辺がこれまでつけていた「14」を引き継いだ。田中は「1年生からこの番号をつけるので、結果で見せなくてはという気持ちに自然となります」と話す。それでも「その責任に負けていてはまだまだだと思うので、(渡辺)一生さんの後が似合うピッチングをしていきたいです」と覚悟は十分だ。目標は渡辺と同じドラフト1位でのプロ入り。先輩の大きな背中を追い続ける。



