<パCSファイナルステージ:楽天8-5ロッテ>◇第4戦◇21日◇Kスタ宮城

 シーソーゲームで楽天に白星をたぐり寄せたのは、孝行息子たちだった。

 リーグ優勝で果たせなかった本拠地胴上げがかなった。楽天星野監督は、仙台の夜空を見上げながら満面の笑みで、7度舞った。

 星野監督

 

 クリネックス(Kスタ宮城)で胴上げしてもらいたいと選手と約束していました。本当に幸せな男だね。僕は。こんなにもう息子たちが多少の緊張はしたんだろうけども、前向きに常にファンのために、己のために、家族のために、チームのために、すべての皆さんのためにやってくれました。

 勝利者監督インタビューで、万感の思いをかみしめた。闘将の声も、ハートも、ボルテージも上がりっぱなしだった。

 総力戦だった。序盤で3点リード。楽勝ムードもつかの間だった。4回、ロッテGG佐藤の逆転アーチで暗転した。しかし、その裏、今季4番に君臨したジョーンズが2ランで試合をひっくり返した。7回再び追いつかれたが、その裏、今度は5番マギーが勝ち越し弾だ。「MJ砲」が浮気な?

 勝利の女神を引っ張り戻し、8回には守備の人・藤田が、銀次が、連続適時打で突き放した。

 最後は今季無敗の田中将大だ。2安打されながらも9回のスコアボードに「0」をしっかり刻み、初の日本シリーズ進出を決めた。

 粘るロッテに引導を渡したのは、今季投打にチームをけん引してきた孝行息子たちだった。

 26日からはKスタ宮城で、2年連続日本一を目指す巨人と日本シリーズで激突する。現役時代、気迫あふれるマウンドさばきで巨人に挑んできた星野監督も気合が入る。

 星野監督

 私の永遠のライバル、ジャイアンツにしっかり胸を借り、頭を下げて、やっつけます。

 無敗のマー君だけじゃない。星野楽天が、ベンチ、グラウンド、スタンド…人馬一体となった総力戦で一気に日本一の称号をつかみ取る。