<中日1-2阪神>◇18日◇ナゴヤドーム

 中日エース川上憲伸投手(33)の防御率トップに浮上する力投も、報われなかった。中6日で阪神戦に今季初めて先発。8回を投げて6安打1失点、今季3度目の10奪三振を記録。防御率2・31でヤクルト石川を抜いてセ・リーグ単独1位に躍り出た。しかし7回に金本の同点ソロを浴び、勝敗はつかなかった。

 痛恨の1球だった。先制点をもらった直後、7回先頭の金本。カウント1-0から143キロの直球が甘く入った。右中間に飛び込んだ打球を見て、エースは少しだけ首をかしげた。

 「1点を守れなかった自分がふがいないですね。せっかくとってもらった次の回、それに尽きます」。

 17日、北京五輪の日本代表に選ばれて「自信にはなるけど、全力で残ったゲームを頑張るだけ」と口にした。今年に入って候補選手が絞られていく過程でも、日の丸を背負う重みを「絶対に変な投球はできないです」と表現してきた。この日は正式決定翌日の登板、しかも4連敗中の阪神戦。「調子は良くなかった。でもその中でいい投球ができるように心がけたけど」。8回1失点の好投もチームを勝利に導けなかっただけに、エースは自分を責めていた。【益田一弘】