中日井端弘和内野手(33)が29日、30日阪神戦(甲子園)からの先発出場を志願した。右ひざ靱帯(じんたい)損傷から回復し、前日28日に出場選手登録されたばかり。この日は休日返上でフリー打撃、守備練習を行った。先発すれば5月13日以来140日ぶりに、落合監督がキャンプ初日に宣言したレギュラー野手8人がそろう。広島が敗れたため単独3位となり、クライマックスシリーズ(CS)進出マジックは6。オール敵地の残り7戦をベストメンバーで戦い抜く。

 井端はナゴヤドームでの練習後、実戦復帰への意欲をみなぎらせた。「明日から出るつもりです。残り7試合、やるしかない。大丈夫です」。右ひざを故障したのが8月29日広島戦(ナゴヤドーム)。今季絶望と見られていたが、約1カ月に及ぶ2軍でのリハビリの末、前日28日に出場選手登録された。あとはグラウンドに立つだけだ。

 この日はランニング、キャッチボールの後、フリー打撃の他に復活へのバロメーターとしていた守備練習を行った。遊撃の位置に入ると、横の動きも交えて軽快にさばいた。ノックを打った高代野手総合チーフコーチも「思ったより動けている。こっちが考えているより軽傷だったんだろうな」と手ごたえを口にした。

 井端が先発復帰すれば落合監督がキャンプ初日に公言したレギュラー8人が、5月13日以来初めてそろうことになる。5月14日に森野が左足ふくらはぎの肉離れで離脱し、その後は北京五輪への選手派遣や、だれかが復帰すればだれかが故障する悪循環で1度もそろうことがなかった。残り7試合となった時点でやっと本来の形で戦える。

 井端は2軍調整中に体重が約3キロも減ったという。「かなり減っちゃいましたね」。下半身が動かせない状態が続いたためだが、グラウンドに立つだけで存在感は大きい。広島とクライマックス進出争いのさなか、首位阪神との大事な1戦。ベストメンバーで勝ちに行く。【鈴木忠平】