担当記者らが選ぶ日刊スポーツ東北6県版「2008年楽天年間MVP」、野手部門に中島俊哉外野手(28)を選出した。6年目の中島は自己最多の81試合に出場し、3割1分5厘と結果を残した。シーズンを通じて1軍で活躍したことで、来季のさらなる飛躍が期待される。22日の楽天ファン感謝祭(Kスタ宮城)で記念品が贈呈される。

 ノムラ野球の浸透を、この男ほど明確に示す者はいない。中島はプロ6年目の今季、キャリア最多の81試合に出場。4月初旬に登録され、ほぼシーズンを通して1軍の戦いの中で過ごした。昨季までの5年間は14試合の出場にとどまったが、昨秋からフォーム改造に取り組み、1年間の1軍を守り通した。今季をこう振り返る。

 中島

 変わらないと後がないので。クビになってしまう。覚悟を決めてフォームを変えました。勇気は必要でした。でも野村監督も『このままでは使えない』と、おっしゃっていたので、変えないといけないと思った。

 アマチュア時代から続けていた、投手にバットの先を向ける構えを捨てた。その結果が3割1分5厘という打率に表れた。

 今季の結果について、中島は「そりゃ、今までと比べたら良かったです。でも、続けないと意味がないので来年、頑張ります」と、控えめながら内に秘めた向上心を明かす。

 野村監督は「覚悟に勝る決断なし」と話す。中島は過去を捨て、変身して3割の結果を残した。フォーム改造も野村監督の進言があったからだった。変身を果たした男に求められる次の目標は、規定打席の到達だ。