真弓阪神が革命を起こす!

 阪神が先発ローテーション構想を練り直すことが4日、分かった。岡田前監督時代は中6日が基本線だったが、沖縄・宜野座キャンプで真弓明信監督(55)と担当コーチが会議し、中4、5日への変更を検討することになった。先発の登板機会が増えることで完投能力を養わせ、中継ぎ陣の負担を軽減させる効果などを期待している。日本球界で主流となった中6日先発ローテを大胆に見直して、V奪回&新たな常識を打ち立てる。

 「JFK」解体に続き、真弓監督が新たな一手に意欲を示した。目を付けたのは先発投手陣の登板間隔。現在、日本球界の先発陣は「中6日登板」が主流だが、これを「中5日」あるいは「中4日」に短縮しようという考えだ。

 いかにして勝つ確率を上げるか。真っ先に考えられるのが、エース級で安定感のある投手を数多く登板させるというもの。これまで通り、先発が中6日のローテーションで回れば、単純計算でシーズン24回の登板となる。これが中5日、あるいは中4日となった場合、シーズン登板数は30回近くまで増える。チームの勝率もそれだけ上がる。

 先発ローテーションの改革案について、現場を預かる久保投手コーチは「中6日が常識みたいになっているが、新たな常識を作ればいいこと。球界に革命を起こす。投手個々の力を上げていくことが先決だが、それができる布陣はそろっている」と自信を見せた。山口投手コーチも「シーズン終盤の勝負どころでエースが中4日、5日でいくことはある。それならば開幕までに準備をして、新しいローテーションをきっちり組めるのではないか」と前向きだ。

 一方で、ベテラン下柳など登板間隔を空けた方がいい投手には、無理をさせずに済む。基本的には中6日登板を守らせ、1回の登板に集中してもらう算段だ。安藤、岩田、久保田ら完投能力を秘めた投手には1イニングでも多く投げさせ、先発機会が増えれば、球団では03年の井川慶(20勝5敗=ヤンキース)以来の20勝投手誕生も夢ではない。

 同時に、ここ数年負担をかけてきた中継ぎ陣に“充電”を与えたい狙いもある。岡田前監督の自慢だった「JFK」が解体されるため、先発陣には例年以上の自覚を促す狙いもある。

 真弓監督は「(昨年)優勝できなかったのだから、何かが足りない、変える必要がある。常識にとらわれず、いいと思ったことは取り入れていきたい」と口にしてきた。現在の主流「中6日登板」とは逆行のまさに常識を覆す改革案。一見、無謀な挑戦にも映るが、一昔前の日本では当たり前だった光景だ。練習法や体のケアについての知識は、時代とともに進歩を遂げた。数年後「真弓の改革」が再び常識となっているかもしれない。【石田泰隆】

 [2009年2月5日10時25分

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