阪神真弓明信監督(55)が黒星発進に悔しさをあらわにした。初陣となった11日の練習試合・日本ハム戦で初采配。試合中はベンチ中央で仁王立ちし、大声でチームを鼓舞した。エンドランやダブルスチールを指示し、積極果敢なスタイルを披露。2-5で敗れ、練習試合ながら、厳しい表情を見せた。現役時代に「最強の1番打者」と呼ばれた指揮官は、ベンチでも攻撃的だった。

 試合後のベンチには、緊張感が漂っていた。真弓監督は、厳しい顔つきで自らの初陣を振り返った。「勝ちたかったね。でも練習していることはできている。負けて悔しかったが、いい練習はできている」。文言は穏やかだったが、悔しさをありありとにじませた。典子夫人も駆けつけた記念すべき初陣は黒星で終わった。練習試合とは言え、負けず嫌いな一面をのぞかせた。監督就任からのソフトな印象が一変し、勝負師の顔に変わった。

 対外試合の初戦から、必勝を宣言していた。バントのサインは出さなかったが、真弓野球の一端を披露した。それは「攻め」の言葉がよく似合う。1、2回には、エンドランで相手投手を揺さぶった。3回裏1死一、二塁で、ダブルスチールのサインを出した。「行けたら行け」という指示だが、これに二塁走者の鳥谷が反応した。鳥谷は「1球見て、行けると思った。どんどんやっていかないと。失敗するかもしれないが、やっていいということなので」と振り返った。得点には結びつかなかったが、積極果敢な攻撃が光った。

 真弓監督は昨秋のキャンプでも走塁練習に力を入れた。盗塁数アップと代走のスペシャリスト養成という「走塁改革」を唱えていた。このキャンプでも、ベースランニングなど地道な練習でも自ら積極的にアドバイスを送った。その成果か、初陣で早くもチームに変化をもたらした。「相手の投手がスキを見せたら、そこを突いて攻めていく野球ができてよかった」。この日は若手の奮起も目立ち、内容には合格点をつけた。

 岡野手チーフコーチはベンチでの監督の姿を明かした。「1番はつらつとしていた。声がよく通るから、士気が高まるし、選手も反応しやすい。負けないようにしたいね」。真弓監督の「ヨッシャ、行くぞ!」の叫び声が響き渡っていたという。喜怒哀楽に満ちた情熱的なタクト。15日のヤクルト戦(浦添)で、初白星を取りに行く。【田口真一郎】

 [2009年2月12日11時48分

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