<オープン戦:横浜6-4日本ハム>◇2月28日◇宜野湾

 追い込まれても、踏み込んだ。横浜のドラフト1位ルーキー松本啓二朗外野手(22=早大)が、いきなり魅せた。1回、先頭打席でカウント2-1。武田勝の外角へ逃げていくスライダーに食らい付く。右前打で出塁すると、2番仁志の3球目に二盗。1死三塁から金城の適時打で先制のホームを踏んだ。

 止まらない。再び先頭の2回には内野安打。4打席目にも初球を右前に運び、プロ初のオープン戦で猛打賞。「お客さんもたくさん入っていて少し緊張したけど、打席には普通に入れた。点数を付けるなら60、70点。100点はないんで70、80点を毎日出し続けたい」と自分に厳しい。走塁での細かいミスや守備位置取りなどを課題とした。

 「1番中堅」を期待される新人の理想は高い。大学の先輩でもあるヤクルト青木やマリナーズのイチロー、広島前田智、巨人高橋由の打撃映像を編集したDVDをキャンプ宿舎に持ち込んだ。「イメージです」と、日本を代表する左打者のスイングを脳裏に焼き付けた。19日の練習試合では左アキレスけんに死球を受けたが「問題ないです」と自慢の足でもアピールした。

 大矢監督も「足を使える人が少なかったし、いいスタートを切ってくれた」とうなずいた。松本は試合前、日本ハムの早大OBへあいさつするため、球場外を走り回った。帰宿の際はソフトクリームを手に「自分へのご褒美です」と笑ったが、移動する車に置いて行かれそうになり必死で追いかけた。最下位からの大脱出へ、グラウンドではチームの先頭に立つ。【今井貴久】

 [2009年3月1日9時30分

 紙面から]ソーシャルブックマーク