<ソフトバンク4-3西武>◇8日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク和田毅投手(28)にとって救いはチームの勝利だった。歓喜の試合終了から約2時間半後、帰路についた和田の口から出たのは自らを責める言葉だ。「オーティズは最高で、僕は最悪です。チームはとんでもないことになりかけてしまった…」。エースとしてリードを守りきれなかった悔しさは隠しようもなかった。

 西武涌井との投げ合いで2点の援護を受けた。だが、6回表。2四死球で1死一、二塁のピンチを迎えた。3番中島への2球目。捕手山崎は腰を浮かせたが、投じた直球は吸い込まれるように真ん中へ。フルスイングで弾き返された球は右中間席に飛び込む3ランとなった。5回まで3安打7奪三振無失点。抜群の直球の切れ味で見え始めた自身今季初の連勝は「最悪のミスです」と振り返る1球で吹き飛んでしまった。

 開幕戦で14奪三振の完封勝利を飾ったが、その後、白星が伸びず6試合2勝2敗。高山投手コーチは「和田はあの回(6回)だけだった。それまでは素晴らしい投球だった。相手が涌井ということで(白星を)意識してしまったのかな」と話した。もちろん、相手球団のエースとぶつかる開幕投手の宿命は和田も覚悟の上だ。「その中で勝たないと意味がないんです」(和田)。次回登板は首位を走る楽天戦(15日)。悔しさを晴らすには、もってこいの舞台だ。

 [2009年5月9日10時37分

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