ダルビッシュが変化球の投げ方を教えます。日本ハム・ダルビッシュ有投手(22)が「技術書」を初めて出版することが18日、分かった。独自の変化球の握り、投げ方などを詳細に解説、写真付きで公開している。プロ入りを目指す野球少年たちのためになればとの思いもあり、惜しげもなく持論を披露しているという。日本NO・1右腕による貴重なピッチャーズバイブルといえそうだ。

 ダルビッシュが独特の投手観を公開することになった。7月中旬にベースボール・マガジン社から、野球ファンにはたまらない珠玉の1冊が出版される。「変化球バイブル」などのタイトルになりそうな本の内容は、主に変化球についての解説。関係者によれば、握り、腕の振り方、体の使い方なども含めた独自の考えを、あますところなく明かしているという。

 プロ入り後はファッション誌のモデルなど「専門外」の分野ではたびたび誌面で取り上げられてきた。野球に関しても専門誌などには登場してきたが、1冊まるごと自分自身で手がけるのは初めてのこと。スライダー、カーブ、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、フォーク、シンカーなど多彩な持ち球について、それぞれ写真付きで詳細に誌上レクチャーしている。

 22歳ながら、野球界全体へ貢献したいという強い思いも、踏み切る1つの動機になった。かねて社会貢献活動のために「ダルビッシュ有

 ファンド」を立ち上げ。発展途上国などに井戸を掘るための資金援助を行う「水基金」、出身の大阪・羽曳野市には「子ども福祉基金」を設立してきた。次のターゲットを野球に設定。プロを目標に奮闘するアマチュア選手、愛好者らへ技術で“還元”ができればとの狙いもあり、この企画を実現させた。

 引退後ではなく、現役選手が「技術書」を出版するのは珍しいケース。手の内を明かしても問題ないかが心配だが、それも自分への自信の裏返しだ。今季は8勝2敗で防御率1・20、先発が濃厚な20日広島戦(マツダ)で勝てば早くも4年連続2ケタ勝利に王手と、快調な1年を送っている。マウンド同様、出版界へも逃げも隠れもせず、真っ向勝負で「ダルビッシュ有」の一端を披露する。

 [2009年6月19日8時35分

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