前ジャイアンツの藪恵壹投手(41)は、阪神が獲得したメッセンジャーが日本で成功するための助言を与えた。198センチ、119キロの大型右腕。角度と威力あるボールは魅力だが半面、大きなモーション、クイック対策が必要と指摘した。

 藪

 150キロ近い球を放るだろうけど、あのままなら(盗塁は)フリーパスかもしれない。それに日本は1度クセを見抜いたら、どんどん走ってくるからね。

 期待されるのはセットアッパーだけに走者を背負った時の課題を心配した。阪神ではかつてベン・リベラやエステバン・ジャンら巨漢投手が、足で崩されたケースが多い。だが悲観することはない。

 藪

 何と言っても城島がいるからね。あの肩の強さはメジャーでも指折り。だから少々、遅れてもカバー(アウトに)できる。何より、城島がクイックをマスターさせると思うけどね。

 メッセンジャーは、マリナーズで城島と今年まで2年間バッテリーを組み、獲得を推薦したという。すべてを知る女房役が、100%力を発揮できるように十分対話をはかり、日本仕様に改良するとの見立てだ。

 さらにもう1つ、大きな武器としているツーシームについても助言を送った。

 藪

 日本のボールは小さくて軽いし縫い目も低い分、メジャー球ほど動かないし曲がらない。頼りすぎては痛い目にあうと思う。

 すべて米国流が通用すると思い込むのは禁物で、配球も慎重な検討が必要。またツーシームを生かすなら、早く日本球を手になじませることが重要と力説した。日米両球界を知る男ならではの金言の数々。盟友の古巣での成功を願えばこそのメッセージだ。

 [2009年12月14日11時13分

 紙面から]ソーシャルブックマーク