阪神城島健司捕手(33)が、異例のアングル(角度)サインで能見篤投手(30)の幻惑投法を操る。28日、オリックス戦メンバーと別れて、高知・安芸球場で練習。ブルペンで能見のボールを39球受けた。能見の特長である上手投げと横手投げの使い分けに着目し、左腕の角度を指定する能見専用サインを編み出す考えを明かした。

 通常のサインはコースや球種を要求する。しかしジョーの考えは上手か、横手かというユニークなサインだ。「本人の感覚もあるだろうし(横手投げは)使えばいい。同じボールでも(腕の)アングルを変えれば、2球続けやすい。(角度の)サインをつくったらいいかなと思う」と口にした。

 チェンジアップがヒントになった。投球練習の25球目、城島は「横からチェンジアップを投げるからびっくりした」。直球だけでなく、変化球でも腕の角度を変えられる能見の器用さに驚いた。そして上手と横手のチェンジアップを受けて、球速の違いに気がついた。上手より横手がスピードが遅くなるという。チェンジアップを2球続ける場合に速い(上手)→遅い(横手)で投げると効果的で、逆の順番より打者に打たれる可能性が少ないと指摘。順番を間違えないために専用サインを考える構えだ。

 城島は「基本的には能見の投げたいアングルで投げればいい。体のバランスもボールの質も変わらない。ただ勝負どころで、ここで投げてほしいなというところもあるから」。能見の個性を尊重し、さらに効果的に利用する構え。この日で安芸での練習は終了。いよいよ3日に日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)でデビューする城島は、細かな捕手目線から投手力を引き上げていく。

 [2010年3月1日10時58分

 紙面から]ソーシャルブックマーク