巨人小笠原道大内野手(36)が、女性誌デビューを果たす。講談社の女性誌「FRaU」6月号(5月12日発売)で9ページの特集に登場する。15日、都内のスタジオで写真撮影とインタビューに臨み、チームの女性ファン獲得にひと役買って出た。撮影後の取材では「こういうことは単発でないようにしないと」と“女性誌レギュラー”への挑戦発言まで飛び出した。

 グラウンドでは勝負師の顔が、スタジオでモデルの顔つきになった。小笠原は着慣れたユニホームではなく、スタッフに用意された服装で登場。カメラマンから自然なしぐさを求められ「難しいな…」と困惑しながら、徐々にガッツ流のポーズを見つけていった。キャンプから続く半月の遠征を終えた貴重な休日。それでも球団も掲げる女性ファン獲得のために、疲労の色も見せず計2時間の撮影を無事にやり遂げた。

 黙々と戦い続ける姿こそが、白羽の矢が立った理由だ。FRaUの担当者は「巨人の選手がお1人で出ていただくのは初めてです。今の巨人は若手の選手が多いですが、それを背中で引っ張る小笠原選手で、という話になりました」と説明した。働く女性にとって、球場で大きな声で応援するのは、新感覚のストレス発散法だ。「女性は何かを応援するのが活力にもなるので。『パワースポット』です」と提案。観戦ツアーも企画中で、特集のタイトルにも「読売巨人軍女子応援部」と銘打つ予定だ。

 球団も女性ファン獲得に本腰を入れたばかりだ。今季から主催試合のうち13試合で女性限定シートを設置。中年男性の独壇場のイメージがある球場に、女性を誘致する狙いがある。小笠原も「そういうシートもあるので、今まで持っていたイメージと違う感じで体験しに、球場へ足を運んでもらえたら」と期待している。

 16日からは本拠地東京ドームで、10日後に迫った開幕戦への総仕上げに取り掛かる。「(女性誌登場は)単発でないようにしないと。そうなるためにも選手としてのレベルを上げないといけない。明日から気を引き締めてやるだけです」と、最後は再びモデルから勝負師の顔に戻った。戦う男の美しさを見せ続ければ、スタンドからの黄色い声援は日増しに大きくなる。【小松正明】

 [2010年3月16日8時1分

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