<西武5-11ソフトバンク>◇1日◇西武ドーム

 貧打に苦しんでいたソフトバンク打線がつながり、連敗を3で止めた。秋山幸二監督(47)は3番長谷川、6番オーティズ、7番柴原と大幅な打線組み替えを敢行。西武西口を得意としてきた柴原が先制の2点適時二塁打を放つなど、3回で6点を奪ってKOした。新型打線は今季最多の14安打11得点の大爆発。連敗脱出に成功した秋山ホークスが2日、借金完済を目指す。

 たまっていたストレスを一気に吐き出すかのように、ソフトバンク打線が打ちまくった。14安打、11得点。どちらも今季最多だ。打って、打って、連敗を3で止めた。秋山監督の表情が、ようやく和らいだ。「今日はつながったね」。前夜までチーム打率1割8分3厘の貧打戦が、ついに目覚めた。いや、目覚めさせた。指揮官が決断した大胆な打線改造が、面白いように当たった。

 ◆改造1…7番レフト柴原

 今季初のスタメン出場。昨年5月16日以来の先発出場の裏には、西武西口との好データがあった。昨年まで11年間で通算137打数48安打。対戦打率は3割5分を誇っていた。

 ∧効果∨2回表、柴原に無死満塁の好機が回ってきた。外角球に逆らわず、左翼線へ先制の2点適時二塁打。「みんながチャンスをつくってくれた。積極的にいこうと思った」。14年目のベテランにも会心の笑みが浮かんだ。

 ◆改造2…3番センター長谷川

 先発3番出場はプロ4年目で初。前日まで23打数4安打(打率1割7分4厘)も、直近2試合では3四球を選んでおり、持ち味の選球眼に磨きがかかっていた。首脳陣の中では、1死までに走者三塁で相手守備陣が前進シフトをとったときの1点を取れる確率を加味し、3番長谷川プランが出た。

 <効果>3回表は先頭打者として左前安打で出塁。今季初盗塁も決め、貴重な追加点を呼び込んだ。試合前に想定された1死三塁のケースは7回表。しっかり中前適時打で打点を挙げ、長谷川は「ここ2試合と同じ感じでやればいいと思っていた」

 ◆改造3…6番DHオーティズ…前夜まで3試合ノーヒットだった不振で、今季初めて上位打線から外れた。

 <効果>フリーに打てる打順に下がったことで、ポイントゲッターとしての持ち味をフルに発揮。3回表に3号2ラン。今季初の猛打賞となる4安打4打点に加え、今季初めての盗塁にもチャレンジして成功。「みんなが打ててチームとしてよかった。(ここまで打てなかった)フラストレーションを晴らしていく」(オーティズ)。

 3連敗中に3、2、7安打だった貧打がウソのよう。今季5通り目となったオーダーはピタリと、はまった。それでも、秋山監督は「(試行錯誤が)続くんじゃないの」。借金完済して上昇気流をつかむため、2日、新たな布陣が見られるかもしれない。【松井周治】

 [2010年4月2日11時26分

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