<阪神4-8日本ハム>◇13日◇甲子園

 磨きがかかってきた鉄腕が、5人の継投ショーの主役を張った。追いすがる猛虎打線を切ったのが、元守護神武田久投手(31)だ。2イニング目になった8回、2失策も絡み無死満塁のピンチを招いた。リードは5点も、1つ流れを間違えば、大量失点のピンチでも静かに役目を見つめていた。「すごい冷静でしたよ」。その心の穏やかさを、証明する度胸満点のマウンドだった。

 まずは好調ブラゼルだ。4球連続の直球勝負で追い込み、最後が外角高め146キロで空振りを誘い、まず1死。狙いは低めだったが、そのミスをカバーしてあまりある威力でねじ伏せた。代打桧山の遊ゴロの間に1点は許したが、なおも2死満塁で関本も遊ゴロ。1点しか与えない及第点以上の結果で、理想の逃げ切り勝利をおぜん立てした。

 2年連続で任された抑えの座を開幕からの不振で、譲り渡していた。この日は、代わりを務める建山へほぼ完ぺきに引き継いだ。梨田監督が「ヒサシの2イニングが価値がある」と復活を確信するような34球。ベテラン木田からつながったバトンは、目指す反攻のキーマンの快投で、ゴールへとつながった。【高山通史】

 [2010年5月14日10時57分

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