<楽天3-2広島>◇29日◇Kスタ宮城

 楽天岩隈久志投手(29)が高い修正能力を示した。前回登板は3失点、93球で降板。「ひじを少し高く上げた微調整がうまくいって。全体的に良かった」と振り返るように、1週間後は普段の姿だった。ゴロアウト18。どこを切っても、変わらぬエースの立ち居振る舞いだった。完成された技術は微調整で済む。岩隈のすごみは、肉体をリフレッシュするために施した中6日の過程にあった。

 歴代3位タイとなる登板191試合連続の先発は超レアな調整法で臨んだ。「前回の疲れが残ってたので、ブルペン投球を前日に変えました」と、09年1度もなかったサイクルを採用。遠投も行わず、加えて期間中に2日も休養日を設け疲労回復に万全を期した。勇気ある選択は吉。6回、天谷に2ランを打たれた後に二枚腰を発揮し、フォークを軸球に切り替え9回まで投げ抜いた。降板直後「勝ちを信じましょ」と笑い、ケアに消えた岩隈。予言通り、嶋の中越え打でチームは今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。【宮下敬至】

 [2010年5月30日7時39分

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