故障者続出で補強に動く西武が、ホセ・フェルナンデス内野手(35)の獲得調査を進めていることが20日、分かった。今季はメキシコリーグのキンタナローに所属。日本ではロッテ、西武、楽天、オリックスの4球団で昨季まで7年間プレーした。日本通算174発男が、5年ぶりに古巣復帰する可能性が出てきた。

 西武は05年オフに球団事情で1度は契約を延長しなかった。出戻りとなれば異例だが、それ以上に今は非常事態だ。今週にも右ひじ遊離軟骨除去手術を受ける中村剛也内野手(26)の復帰は早くても8月。昨季48発を放った2年連続キング不在の穴は大きく、水面下で代役探しに動いていた。

 シーズンも中盤を迎え、日本でプレー経験のない外国人の適性を試している時間はない。国内実績があり、かつ即戦力が条件だった。フェル砲は今季、メキシコリーグで好成績をマーク。守備は主に三塁と一塁。拙守が弱点だが、それを補う長打力と勝負強さがある。球界関係者は「昨年はケガの影響で、参考にならない。まだ力はあるし、本人は日本でのプレーを希望している」という。

 オリックスにセギノール、ソフトバンクにペタジーニと、シーズン中の緊急補強で日本復帰するケースが多い。前田球団本部長は「状況に応じた補強は常に考えています」と話す。現有戦力の奮起で好調のチームは首位を走るが、打線の迫力不足は否めない。フェル砲復帰が実現すれば、V奪回への切り札になる。

 [2010年6月21日7時49分

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