<巨人8-12ヤクルト>◇31日◇金沢

 序盤の12失点はあまりに重すぎた。巨人自慢の強力打線も4点差まで追い上げるのが精いっぱいだった。8月は12勝14敗と借金2で終了し、2カ月連続の負け越しが決定した。2年ぶりとなる巨人主催の北陸シリーズ。超満員のファンに勝利を届けられなかった原辰徳監督(52)は「先発投手がゲームを作れないと、こういう苦しい展開になるということです」と表情を曇らせた。

 先発ローテーションの順番を変更し、中5日でカード初戦を任された東野峻投手(24)が期待を裏切った。1回いきなり3失点すると、2回には投手の村中に四球を与えたのをきっかけにさらに3失点。この回1死も取れず、自己最短の1回0/3でKOされた。12勝を挙げているものの、夏場に入り調子を落として4連敗となり「見ての通り。甘いところにいってしまった」と肩を落とした。

 2番手の林■豪もヤクルト打線の勢いを止められず6失点。3回までに今季のチームワースト失点記録を更新する12点を奪われた。被安打18も今季ワースト。序盤に大量失点し、3回からマスクを鶴岡に譲りベンチに退いた阿部は「こんな大事な試合で、いきなり試合をぶっ壊してしまって申し訳ないです」と猛省した。

 好調な打線が唯一の救いと言える。チーム全体の士気に影響してもおかしくないほどの“投壊”の中で、最後まで気持ちを切らさず攻め続けた。13安打で8得点。原監督は「ベストを尽くして戦うということが、我々プロ野球選手にとって一番大事な部分ですから」と、あきらめない姿勢を評価した。【広瀬雷太】※■は「弁」のムが「羽」の旧字体

 [2010年9月1日10時42分

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