<ロッテ5-1日本ハム>◇5日◇千葉マリン

 勝利の瞬間、ロッテ西岡剛内野手(26)は、グラブをはめたまま両手を頭の上で合わせた。2連敗で迎えた日本ハムとの今季最終戦。「絶対に負けることが許されないゲームだった」。その緊迫感から解き放たれたかのように、合わせた手の下で笑顔を見せた。

 勝つために重ねた安打は今季173本に達した。2回、試合の流れを大きく呼び込んだ2点適時二塁打が今季172安打目。そして、4回、追加点のホームを踏んだ二塁打が173安打目だった。西岡が入団した03年に福浦がマークした球団3位のシーズン172安打を抜いた。

 西岡

 プロに入った時から、福浦さんという大先輩を尊敬し、なんとかああいう選手になりたいと思って目指してきた。そんな大先輩の記録を抜いたのは素直にうれしい。これからも福浦さんのようなすごい打者に近づけるように頑張りたい。

 西岡が絶対に勝たないといけないと位置づけたこの日の試合で、先制打を放ったのは福浦だった。目標にしてきた先輩打者の存在感はまだまだ大きい。その福浦が言う。「今年の(西岡)剛はすごい。フルイニングで出続けて、疲れている中での成績。どんどん安打を重ねて200安打を目指してほしいね」。積み重ねた数字は、西岡だけでなく、奮闘を知る仲間の励みになっている。【竹内智信】

 [2010年9月6日11時13分

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