優勝へのマジック「8」が点灯した阪神の城島健司捕手(34)が、古巣ソフトバンクのパ・リーグ制覇に刺激を受けた。残り9試合を最低でも7勝2敗としなければならないが、古巣は残り6試合で3・5ゲーム差をひっくり返して逆転優勝。27日、甲子園での練習を終えた城島は「野球は終わるまで何が起こるか分からない。だから面白いんですよ」ときっぱり。28日の巨人戦(甲子園)から、いよいよ勝負の6連戦に挑む。

 確かな勇気をもらった。前夜、仙台の夜にはじけたかつての仲間たちの笑顔や涙が、城島の力になった。甲子園で全体練習に参加した背番号2は笑みを浮かべ「知っている選手もたくさんいるし、秋山さんとも(現役で)一緒にやっている。励みになりますよね」と話した。さらに「パ・リーグを心配している場合じゃないんですけどね。でも野球は終わるまで何が起こるか分からない。だから面白いんですよ」と続けた。

 ソフトバンクの前回のリーグ優勝はダイエー時代の03年だった。そのシーズンのMVPが城島。その後、活躍の舞台を大リーグに移し、今季は5年ぶりに日本球界に復帰した。そのタイミングでの優勝は胸に響いたに違いない。

 優勝への道のりは、ソフトバンクより厳しいかもしれない。ソフトバンクには西武との直接対決3連戦があったが、阪神には首位中日との直接対決はもうない。9試合は最低でも7勝2敗、中日が10月2日の最終戦(対ヤクルト)に勝てば、8勝1敗と条件はさらに厳しくなる。だが、それも城島にとっては「面白い」ということになる。

 いよいよ、28日からは運命の6連戦が始まる。巨人と2連戦、横浜との1試合をはさんで、広島との3連戦を迎える。グラウンドでウオーミングアップをナインと一緒にこなしたあとはロッカールームに戻り、打撃練習などは行わずに帰宅した。劇的なエンディングに向けた“最後の戦い”に備え、じっくりと体を休めた。【柏原誠】

 [2010年9月28日8時30分

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