<パCSファイナルステージ:ソフトバンク3-1ロッテ>◇第2戦◇15日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク本多雄一内野手(25)が、自慢の足でロッテバッテリーを崩した。初回。中前安打で出塁すると、いきなり走った。次打者松中の初球はウエストボールだったが、あっさり二盗成功。シーズン59盗塁で初の盗塁王に輝いた男は、ペン&的場のバッテリーに重圧をかけた。

 本多

 ペンのクイックはビデオで見ていたから、初球から走れた。

 圧巻は、得点に結びついた3回の盗塁だ。二塁失策で出塁。右投手が相手の場合、対左投手時よりもリードを1歩分小さくし、土と人工芝の境目に左足にかける。次打者松中への初球の前に、ペンから2球続けてけん制を受けた。「(一塁までの送球)到達は遅いというのが分かった。あれで(リードを)もう1歩取れると思った。半足分出られる、と」。リードが広がったのは、わずか10センチほど。だが、相手投手の動きを見極めれば、怖いものはなかった。

 そこからスタートを切る振りをして揺さぶり、1死後に二盗。的場の二塁悪送球も誘って、三塁を陥れた。小久保の犠飛で3点目のホームイン。貴重な追加点をもぎ取った。初戦は2度一塁に出ながら、成瀬&的場バッテリーに封じられた。うっぷんを晴らし、最高の笑顔で球場を後にした。「塁に出れば何でもいいんです。明日も(ロッテバッテリーを)揺さぶるリードをしたい」。第3戦も、ロッテ陣営にプレッシャーをかける。

 [2010年10月16日10時52分

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