今季、プロ入り初めて盗塁王に輝いた広島梵英心内野手(30)がマツダスタジアムの「地固め作戦」で2年連続盗塁王を目指す。本拠地の走路を硬くするよう球団に要望するプランを温めており、タイトルホルダーの一声で、機動力野球の浸透に一役買うつもりだ。

 梵は「柔らかくて、1歩目が遅れることもありますから。スピードも乗り切らない。機会があれば(球団に)言いたいと思います」と説明する。土の地面は、硬いほうが走る際の力も伝わって推進力が出る。今季は43盗塁。ほぼ半数の21盗塁を本拠で決めたが「(課題は)スピードですね。もっと速く走れると思う」と話すなど上昇志向は強い。これまでも何度か走路についてリクエストしたことがある。荒天時やスタートを切る1歩目付近を硬くするなど球場側も配慮していたが、来季以降も、最善の環境を整えたい考えだ。

 「赤星モデル」が理想のフィールドだ。阪神の本拠地甲子園では、01年から5年連続盗塁王に輝いた赤星氏の走塁をサポートするため走路を硬くしていた。契約更改の席上などで、球団側に要望する構え。「この世界は、続けて初めて認められます。来年もという気持ちです」と話す梵は、足元から見つめ直す。【酒井俊作】

 [2010年10月21日11時19分

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