<オープン戦:阪神0-1オリックス>◇26日◇安芸

 開幕ローテへブレなし!

 阪神ドラフト1位榎田大樹投手(24=東京ガス)がオリックス戦に先発。オープン戦開幕投手の大役で、ほぼベストメンバーのオリックス相手にもペースを乱さず、3回を1安打3三振で無失点に抑えた。新人ばなれした安定感で、開幕ローテーション級の評価をまた確かにした。

 超満員の虎党の大歓声に迎えられ、榎田はまっさらなマウンドに立った。先頭坂口を3ボール2ストライクからの8球目、カットで空を切らせた。2年連続打率3割の好打者に、フルカウントになってもテンポが変わらない。大舞台でも落ち着き払っていた。

 榎田

 対外試合はヤクルト戦で投げてるんでそんなに緊張しなかった。オープン戦の最初の試合で投げただけ。(坂口へは)フォアボールが嫌だったので打たせていいぐらいの気持ち。フォアボールよりヒットの方がリズムがいいので。

 1回を3者凡退で2回には本塁打キングT-岡田を左飛。李承■に初安打されても、バルディリスをじっくり三振に仕留めた。坂口ら、したたかなプロの先輩が打席を外してタイミングをずらしにかかっても、新人は戸惑わなかった。

 榎田

 打者のリズムとか社会人とプロの違いがあった。社会人は自分のリズムでどんどん投げれるけど、プロのバッターは自分のタイミングで打席に入る。それに合わせながら、でも自分のリズムで投げようと思った。

 ペースを守るのはマウンド上だけではない。17日までの沖縄・宜野座キャンプ。夜の外食は極力控え、選手宿舎の大食堂でごはんを食べた。必要なものがあれば、ホテル近くのコンビニまでてくてく歩く。慣れないプロでの集団生活、それも新人唯一の1軍抜てきだったが、ペースを崩さずに乗り切った。

 3イニング、ゼロを並べ、毎回の3三振を奪った。すでに開幕ローテ候補に計算していた真弓監督は「よかったね。低めにボールが集まっているしコントロールはいい。これだけのピッチングをしてくれるなら十分」と期待にこたえた左腕にうなずいた。

 オープン戦でも際だった安定感。開幕切符をまた手元に引き寄せた。出番は1カード目の神宮ヤクルト戦か京セラドーム大阪の中日戦か。「開幕ローテは意識してない。まずは開幕1軍です」。目標まで、少しもブレる様子がない。※■は「火」へんに「華」

 [2011年2月27日11時6分

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