<オープン戦:ソフトバンク1-0広島>◇26日◇福岡ヤフードーム

 11年型ニューオーダーはジグザグ打線!?

 広島は26日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)で不動の4番栗原健太内野手(29)を3番起用し、右左の打者を交互に並べるジグザグ打線のつながりをチェックした。主砲の先発3番は07年以来4年ぶり。完封負けを喫したが、ベスト布陣を追求する。

 得点力アップに向けて、いきなりウルトラCの打順を組んだ。本格化したオープン戦。ナインが集合する前でスタメン発表される。誰もが驚いたのが「3番栗原」だった。

 無理はない。長らく不動の4番としてチームに君臨した。3番は07年10月7日ヤクルト戦(神宮)以来、1238日ぶりだ。4番に左打者のトレーシーを据える真新しいオーダーを組んだ指揮官は言う。

 野村監督

 皆さんビックリしたかもしれないけど、僕の頭にはあった。いろんなケースを試していこうということ。このパターンもあるというか、今日は(2番が右打者の)小窪だけど、本来なら(左打者の)東出を入れれば、右左のジグザグ打線を組めるから。

 あくまでシミュレーションの1つだが、うまく打線がつながればシーズン中に披露される可能性もある。1回。先頭梵が遊撃内野安打で出塁したが、小窪の三塁への併殺打で走者なしに戻った。直後の栗原が右前に運び、つながりを欠いたが、もし得点圏に走者がいれば…。先制シーンを予感させるケースだった。

 手早く点を奪うためにも強打者を3番に置くメリットはある。米大リーグでは「3番最強打者説」が主流。主砲もうなずきながら、言葉を発する。

 栗原

 (影響は)1回早く準備をしないといけないくらい。僕は与えられたところでやるだけです。気持ち的にどうだと言われたら、どうなんでしょう。それより、今の自分の状態を上げていくだけ。

 キャンプ中の実戦では10打数1安打と振るわなかった。それでも、今回は“降格”の意味合いではなくテストの一環。打順変更にとらわれず、自らの調整に集中するスタンスだ。

 ジグザグ打線を組むことで緊迫した試合終盤、相手チームの継投策を難しくする利点もあり、守護神攻略の糸口にもなり得る。新打線にチャレンジした指揮官は強調する。

 野村監督

 4番の意識というよりオープン戦のなかでケンタがいい感じで来れば4番も考える。エースと同じで4番も重要なポジション。4番が打てば勝てる。打たなければ負けるわけだから。今日は機能も何もなかったけど(苦笑い)。

 あくまで勝負強い4番打者が、どっしり座ってこそのニューオーダー。破壊力を増すため、最高の打順を模索する。【酒井俊作】

 [2011年2月27日11時55分

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