<オープン戦:日本ハム2-1楽天>◇27日◇名護

 楽天永井怜投手(26)が、チームのために大いなる伏線を張った。日本ハムとのオープン戦に先発。4回を被安打3、1失点にまとめた。失点は2回、新外国人のホフパワーにバックスクリーン右へ打たれたもの。4回にも四球で歩かせたが、この新戦力に対しては終始偏った配球で、データ収集に努めた。先発3本柱の一角が持ち前の制球力で任務を遂行した。

 星野監督も永井の被本塁打を責めることはなかった。「ホームランを打たれて『いい』と言っているわけじゃない。打たれないのがもちろん、ベストなんだが。打たれるのにも意味があるということ」と謎掛けのように語った。新外国人ホフパワーへ対する2打席。永井には使命があった。

 第1打席は外角シュートをバックスクリーン右へ運ばれた。「投げ切ることが出来なかった」と反省しつつ、「半速球の腕伸びゾーンは強い」と、外国人スラッガー特有の特徴を確認した。そして4回の第2打席。オール直球で5球、しつこく内角の高低に集中させた。腕が長い大柄の外国人は、内角のさばきができるか否かで大きな差が出る。窮屈そうに見送ったりファウルしたりする姿を確認し、フルカウントの6球目は外角フォークで仕留めにかかった。結果は四球に。しかし「外角のさばき、選球眼が長所。ウイークポイントは内角、特に高めの釣り球系が有効」。全8球で確認した特徴は、貴重なデータとなった。

 4回1失点。永井は、自身の今季オープン戦初先発を「70点」と採点した。「ストライク先行できっちり試合を作ることは出来た。最初の対外試合で、恥ずかしくない試合は出来たと思う。直球は感じが出ていた。もう少し変化球の精度を上げていけば、ペナントレースに入っていける」と冷静に自己分析した。【宮下敬至】

 [2011年2月28日10時22分

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