<中日2-3横浜>◇5日◇ナゴヤドーム

 落合竜がついに5位に転落した。吉見一起投手(26)が9回、148球を投げきったが、9安打3失点で3敗目。11連勝中とお得意様だった横浜に4年ぶりの黒星を喫した。打線も再三の得点機を生かせない拙攻を繰り返した。自力Vの可能性は残ったが、いよいよ追い込まれてきた。

 1点を追う9回、最後の打者グスマンの打球が山口のグラブに収まると、ベンチで声を張り上げていた吉見は少しうつむいた。08年から11連勝中だったお得意様に4年ぶりに喫した黒星。9回9安打3失点、148球の完投負けは、悔しさだけが残った。

 試合後、5位に転落した落合博満監督(57)は吉見の力投を問われると、こう言った。

 「なんで、そういう評価をするんだ。負けたピッチャーだで。何が残る?

 (打線が)1点も取れなかったら、0点に抑えりゃいいじゃん。勝ち負けの世界でそういう評価するのか?」

 打線が再三の得点機を生かせなかったのは大きな敗因だ。投手として9回3失点は数字だけ見れば悪くない。それでも結果がすべての世界。指揮官は当然の“おきて”を強調した。

 「負けたら一緒です。次、頑張ります」

 吉見も結果を厳粛に受け止めた。悔やまれるのは3点を奪われた5回だ。無死一、三塁から、うるさいタイプの渡辺を三振に仕留めた。その直後、細山田への初球。内角へのシュートを狙い澄ましたように左前へ運ばれた。大事な先制点を許すと下園、石川に連続タイムリーを浴びて3点を失った。7回無死満塁のピンチを切り抜けるなど低めに丁寧に投げていた吉見が唯一、勝負を急いだように見えた場面だった。

 ついに巨人にも抜かれ、5位に落ちた。下にはもう最下位横浜しかいない。昨季王者にしてみれば屈辱の順位だ。1点勝負に競り負ける姿に、常勝軍団の面影はない。【鈴木忠平】