広島がジオ・アルバラード投手(33)との契約を更新しないことが5日、分かった。来季も残留するバリントン、サファテ、さらに補強を検討している中継ぎ投手が加わると、ジオは助っ人投手4番手扱いになり、登板機会が激減するための処置。マイク・シュルツ投手(31)もこの日までに退団が決定。日米を含め、他球団移籍を探ることになる。

 ジオが来季、カープのユニホームを着ることはなくなった。球団は来季の外国人選手について検討を進めているが、その中でジオがシュルツとともに構想から外れた。

 来日2年目のジオは開幕5戦目に先発したが、試合中に左太もも裏を痛めリタイア。6月に復帰も不調で2軍落ちした。7月に再度復帰後は1軍に定着し、シーズン終盤に安定感のある投球を見せて3勝7敗、防御率2・72の成績を残した。

 2シーズンで12個のボークを犯すなど日本野球への対応に苦労しながらも「2年いてようやく日本の野球にも慣れてきた。チームメートとも仲良くなれた。もっとチームに貢献したいし来季もカープでプレーできれば最高です」と3年目を熱望しながら10月半ばにプエルトリコへ帰国した。

 だが来季の助っ人の1軍枠争いは激しい。今季13勝を挙げた先発バリントン、35セーブをマークした守護神サファテの来季残留は決まっている。さらに球団は今オフ、救援陣の負担軽減のため中継ぎ投手補強を検討している。

 この3投手が1軍に入れば、補強予定の野手の助っ人と合わせ1軍外国人枠4人が埋まってしまうため、ジオの登板機会は今季以上に少なくなることが予想される。今季推定年俸6250万円の助っ人を、ほぼ1シーズン2軍に置くこととのバランスを考慮し、球団は3年目の契約オプション(選択権)を行使しなかった。今村や福井ら、若い投手が順調に成長していることもその背景にはある。

 すでにジオの代理人サイドには「自由に移籍先を探してもらっていい」と意思は伝えてある。人なつっこい笑顔で親しまれた助っ人右腕は今後、日米含めて来季の移籍先を見つけることになる。