阪神安藤優也投手(33)が異例の早着替えで復活にかける執念を示した。20日、球団事務所で契約交渉に臨み、1900万円減の年俸5800万円でサイン。25%の減額制限ぎりぎりまで下げられたが、右肩痛で1試合登板に終わった右腕は無抵抗だった。

 年に1度の特別な日でも無駄にできない。会見終了からわずか数十分。安藤はネクタイをゆるめ、スーツを脱ぎ去り、ジャージー姿に“変身”して鳴尾浜に現れた。遠投、タイヤ引きダッシュ、ブルペンで50球と、白い息を吐きまくった。「記憶にない」契約更改後のハード練習だった。

 「もう1度、甲子園のマウンドに立ちたい。ふがいない成績に終わって苦しいシーズンだった。絶対に来年、復活したい」

 秋季キャンプからオフを通じて継続して積極的にブルペン投球を続けている。同じく右肩を痛めた07年冬も同様の調整法で翌年の13勝につなげた。すでに右肩痛の不安はない。制球重視のスタイルをやめ、投球の力強さをテーマに来季へ突き進んでいる。

 「1回気持ちをリセットして、ニュー安藤じゃないけど、気持ち新たにいく」。失った年俸分は取り戻せばいい。昨年まで3年連続開幕投手の元エースは華麗な変身を遂げて甲子園に戻ってくるつもりだ。