西鉄レジェンドの地から羽ばたけ!

 阪神ドラフト5位松田遼馬投手(17=波佐見)が2日、長崎・島原市内の市営球場で自主トレを公開。同球場は54年から西鉄のキャンプ地として使用された。17歳の松田は、稲尾や東尾ら西鉄レジェンドをほとんど知らないというが、打者の内角への強気な投球が持ち味の右腕は「見て参考にできれば、参考にしたいです」と内角をエグる東尾のケンカ投法に興味を示した。

 同球場は、マサカリ投法で活躍した村田兆治氏(日刊スポーツ評論家)と“対戦”した思い出の地。島原一中3年時に野球教室で訪れた村田氏と1打席の勝負に挑んだ。遊ゴロに倒れ「速かったです」とポツリ。往年の名投手に少しでも近づきたい。「目標は今の世代ならダルビッシュさん。できればそこを目指していきたいです」と球界を代表するのエースの背中を追いかける。

 午前8時半からチームの先輩野原将らと階段ダッシュや体幹トレーニング、キャッチボールをこなし、最後はアメリカンノックで約6時間、昼食抜きのハードトレ。名投手が汗と涙を流した地でその息吹に触れ、プロ第1歩を力強く踏み出した。【岡本亜貴子】

 ◆島原市営球場

 52年に開場した島原半島唯一の本格的野球場。同年に西鉄が公式戦を開催。54年から西鉄の春季キャンプ地として使用され、稲尾和久や東尾修らが汗を流した。78年オフに西武が埼玉・所沢への本拠地移転に伴い、キャンプ地撤退に。