インフルエンザ禍が止まらない。DeNAは5日、アレックス・ラミレス外野手(37)がインフルエンザA型を発症したと発表。沖縄・宜野湾での春季キャンプ5日目の練習を休んだ。選手では初めてで、これで中畑清監督(58)池田純球団社長(36)チームスタッフ2人に続き、感染者は5人目。船出のキャンプで思わぬアクシデントに見舞われた新球団は、除菌水の噴霧器を全選手の部屋に設置するなど、これ以上の拡大防止に努める。

 恐れていた事態が現実となった。ラミレスは前日4日まで元気に練習に参加していたが、この日の朝、37度7分の発熱。その後38度5分まで上がったため、宿舎の自室で医師の往診を受け、感染が判明した。

 ラミレスは1月中旬に米国で予防接種を受けてから来日。その他の選手も昨年11月23日のファン感謝デーにワクチンを接種。それでも今回の発症に至ったため、球団は手洗い、うがい、アルコール消毒のほか、睡眠時間の確保を改めて指示。体を冷やすことも抵抗力低下につながることから、全身入浴や短パン、Tシャツ1枚での行動禁止など細かく伝えた。また、外部からの感染を防止するため、練習敷地内に、コーンで選手移動専用のレーンを新設。宿舎へ戻る際は、マスク着用を義務付けた。

 さらに、ウイルス撃退のため、“秘密兵器”を投入する。飲食店の空気清浄に主に使われている、NIBM社製の除菌水噴霧器で、加湿だけでなく、空気中の菌を退治する優れものだという。同社は二宮外野守備走塁コーチが昨年まで働いていた会社。噴霧器は1台約3万円、除菌水は1リットル600円と高価だが、同社は提供を快諾。すでに中畑監督の部屋、トレーナー室、食堂などで、すぐに手配できた8台が稼働しており、残り32台が今日6日にも全選手の部屋に設置される予定だ。水150リットルも一緒に届けられる。二宮コーチは「秘密兵器になってくれればいいね」と話し、球団関係者も効果に期待を寄せている。

 まさかのリタイアとなったラミレスは、球団を通じ、「100%の姿で、ファンのみなさんと会えるように、今は体を休めて1日も早く絶好調になって戻ってきます!」とコメント。療養に努め、早期復帰を約束した。インフルエンザ禍に見舞われた初キャンプ。シーズン前に、いきなり見えない敵と戦うことになってしまった。【佐竹実】