<オリックス2-0広島>◇26日◇ほっともっと神戸

 そら、思った通りよ-。オリックス岡田彰布監督(54)が、采配ズバリでノーヒッターの広島前田健を攻略した。ポイントになると読んだ7番に、絶好調男の川端崇義外野手(27)を、あえて6番から下げて起用。その川端が4回、決勝打を放った。交流戦を得意とする指揮官が、乗ってきた。

 岡田監督はベンチで立ち上がり、何度も何度も両手をたたいた。前田健攻略がズバッとはまった。4回2死一、二塁、打席に7番川端。高めスライダーを振り抜くと、左越えの先制二塁打。いつもはベンチで足を組み、険しい表情だが、ドラフト8位男に、スタンディングオベーションだ。

 「川端は、チャンスに強いよ。6番と7番とどっちがランナーたまるか、思ってたんよ。(前日25日の打順から)入れ替えたんよ。1、2点の勝負になってくるからな。1本でると楽になる展開だったよ」

 岡田監督ならではの采配がはまった。相手はノーヒッター前田健で多くの得点は望めない。絶好調の4番李大浩が出塁すると想定し、7番がポイントになると読んだ。だから前日6番で使ったキーマンの打順をあえて1つ下げていた。「まあ7番で北川が回の先頭で塁に出ても(足を使って)何もできんしな」と、してやったりだ。

 川端は乗りに乗っている。22日の阪神戦(京セラドーム大阪)ではプロ1号満塁弾で、最下位脱出の立役者になった。この日も甘くなったスライダーを仕留め、決勝点をたたき出した。「すごい投手だと思うので、ここしかないなと、より集中した」。最近6試合で3度目のお立ち台。日に日に歓声が大きくなるが「まだ歓声を聞く余裕はないです」と照れ笑いした。

 阪急復刻版ユニホームで連勝した。借金を6として、今日27日からはDeNA2連戦(横浜)。08年から13連勝中とお得意様の中のお得意様だ。切り札を手にした岡田オリックスが上位浮上を狙う。【益田一弘】